幼馴染みはイジワル課長
「桜花!」
「桜花っ!」
視界に現れたのはお父さんとお母さんで、目に涙を浮かべながら私を見つめる…
首を少しだけ傾けるとそこは病院の個室で、私は点滴を打ちながらベットに寝ていた。
川に落ちて救急車に運ばれて助かったらしい…
梨絵の言う通りだった。
私はまだ死んでなかったんだ…
「大丈夫!?もうっ…この子は心配かけてっ」
「無事で良かった…」
泣き出すお母さんをなだめるお父さんの側で、私を心配そうに見つめる碧が見えた。
碧に手を伸ばそうと思っても、手が動かないし頭もなんだかぼーっとしてる…
「先生呼んできます…」
「すまないね」
お父さんにそう声をかけると、碧は一旦部屋を出て行った…
それだけのことなのに、すごく寂しく感じ今にでも泣きそうになってしまうくらいだ。
碧に話したいことがあるのに…
お父さんとお母さんには申し訳ないけど…今は…碧と……
そしてすぐに医師の先生と碧が部屋に戻って来て、私を診察し始めた。
川に落ちた時にかなりの水を飲んでいたらしいが、命に別状はなく詳しいことは明日検査をするという事になり、今晩は安静にしているように言われた。
「危険な状態でしたが、直前の冷静な判断と応急処置が命を救ったんですよ」
帰り際、先生はそう言って碧を関心しながら見つめた。
「川に落ちた桜花を救ってくれたのは碧君なのよ」
「自らも川に飛び込んでお前を地上に上げ、人工呼吸してくれたんだ…それがなかったら危なかったんだよ」
え…
涙ぐむ両親は病室の端に控えめに佇む碧に近寄り、何度もお礼を言いながら頭を下げていた。
「碧君…ありがとうございました!」
「あなたのおかげですっ…」
碧は困ったような顔をしたあと、申し訳なさそうな口調で言った。
「とんでもございません。当然の事をしたまでですし…それに……桜花さんをこんな危険な事に巻き込んでしまったのは自分の責任です。自分がついていながら…本当に申し訳ありません」
両親に深く頭を下げる碧を見て心が傷んだ。
「僕は外にいますね。何かこと付があったら遠慮なく言って下さい」
「ええ、ありがとう」
「悪いね」
碧はもう一度両親に頭を下げると、病室を出て行こうとした。
「…待って!」
とっさに私は碧を引き止めると、碧と両親は同時にこっちを振り向く。
やっと声が出た…
それに…手もちゃんと動く…
「碧と2人きりになりたい…」
近寄って来たお母さんに私はか細い声で言う。
「でも…」
「お願い…少しだけいいから……話がしたいの」
私がそうお願いすると、両親は渋々納得してくれて病室をそっと出て行った。
碧は両親がドアを閉めると、私に駆け寄って寝ている私を力強く抱きしめた。
「っ…」
その瞬間…我慢していた涙が溢れ出す。
碧の首元に顔を近づけて碧の体温を感じ、腕を強く握りしめた。
「碧…泣いてるの?」
微かに震えている碧の手を感じて、頬を両手で包みながら碧の顔を近づけて見ると、うっすらと目に涙が浮かんでいた…
碧は私におでこをコツンとつけると、枯れた声を出してつぶやく。
「良かった…」
噛み締めるような碧のその声を聞き、また涙が溢れ出した。
「お前にまで死なれたら…俺は…」
「…ごめんなさい」
無茶なことしたのはわかってる…
心配かけて本当にごめんなさい。
私は碧の頬にそっとキスをすると、碧はそのまま私の唇を包むようにキスをした。そしてまた私を力強く抱きしめる…
「碧…唇冷たい。もしかして…私を助けてくれたせい?」
「桜花っ!」
視界に現れたのはお父さんとお母さんで、目に涙を浮かべながら私を見つめる…
首を少しだけ傾けるとそこは病院の個室で、私は点滴を打ちながらベットに寝ていた。
川に落ちて救急車に運ばれて助かったらしい…
梨絵の言う通りだった。
私はまだ死んでなかったんだ…
「大丈夫!?もうっ…この子は心配かけてっ」
「無事で良かった…」
泣き出すお母さんをなだめるお父さんの側で、私を心配そうに見つめる碧が見えた。
碧に手を伸ばそうと思っても、手が動かないし頭もなんだかぼーっとしてる…
「先生呼んできます…」
「すまないね」
お父さんにそう声をかけると、碧は一旦部屋を出て行った…
それだけのことなのに、すごく寂しく感じ今にでも泣きそうになってしまうくらいだ。
碧に話したいことがあるのに…
お父さんとお母さんには申し訳ないけど…今は…碧と……
そしてすぐに医師の先生と碧が部屋に戻って来て、私を診察し始めた。
川に落ちた時にかなりの水を飲んでいたらしいが、命に別状はなく詳しいことは明日検査をするという事になり、今晩は安静にしているように言われた。
「危険な状態でしたが、直前の冷静な判断と応急処置が命を救ったんですよ」
帰り際、先生はそう言って碧を関心しながら見つめた。
「川に落ちた桜花を救ってくれたのは碧君なのよ」
「自らも川に飛び込んでお前を地上に上げ、人工呼吸してくれたんだ…それがなかったら危なかったんだよ」
え…
涙ぐむ両親は病室の端に控えめに佇む碧に近寄り、何度もお礼を言いながら頭を下げていた。
「碧君…ありがとうございました!」
「あなたのおかげですっ…」
碧は困ったような顔をしたあと、申し訳なさそうな口調で言った。
「とんでもございません。当然の事をしたまでですし…それに……桜花さんをこんな危険な事に巻き込んでしまったのは自分の責任です。自分がついていながら…本当に申し訳ありません」
両親に深く頭を下げる碧を見て心が傷んだ。
「僕は外にいますね。何かこと付があったら遠慮なく言って下さい」
「ええ、ありがとう」
「悪いね」
碧はもう一度両親に頭を下げると、病室を出て行こうとした。
「…待って!」
とっさに私は碧を引き止めると、碧と両親は同時にこっちを振り向く。
やっと声が出た…
それに…手もちゃんと動く…
「碧と2人きりになりたい…」
近寄って来たお母さんに私はか細い声で言う。
「でも…」
「お願い…少しだけいいから……話がしたいの」
私がそうお願いすると、両親は渋々納得してくれて病室をそっと出て行った。
碧は両親がドアを閉めると、私に駆け寄って寝ている私を力強く抱きしめた。
「っ…」
その瞬間…我慢していた涙が溢れ出す。
碧の首元に顔を近づけて碧の体温を感じ、腕を強く握りしめた。
「碧…泣いてるの?」
微かに震えている碧の手を感じて、頬を両手で包みながら碧の顔を近づけて見ると、うっすらと目に涙が浮かんでいた…
碧は私におでこをコツンとつけると、枯れた声を出してつぶやく。
「良かった…」
噛み締めるような碧のその声を聞き、また涙が溢れ出した。
「お前にまで死なれたら…俺は…」
「…ごめんなさい」
無茶なことしたのはわかってる…
心配かけて本当にごめんなさい。
私は碧の頬にそっとキスをすると、碧はそのまま私の唇を包むようにキスをした。そしてまた私を力強く抱きしめる…
「碧…唇冷たい。もしかして…私を助けてくれたせい?」