幼馴染みはイジワル課長
川に飛び込んだから…碧も体が冷えたんじゃ…?





「俺はなんでもないよ。一応検査はしたけどどこも異常はなかった…」

「そう…」


良かった…

私のせいで碧に何かあったらと思うと、考えただけで胸が痛いし泣きそうになるよ。






「…気分はどう?どっか痛いとかないのか?」


碧はパイプ椅子に腰掛けてベットに近づけると、私のそばに来て肘をついた。

心配そうに私の髪を撫でる碧に、私は甘えるように寄り添った…






「ううん…少しだるいけど平気」

「そうか」


また碧に会えて嬉しい……

さっきは本当に死んだと思ってたから。





「…」


私はついさっきまで一緒にいた、梨絵のことを思い出していた。


梨絵と話したことや、あの場所のことまで鮮明に覚えてる…

あれは夢じゃないよね…






「ねえ碧…」

「ん?」


近くにいる碧を呼ぶと、優しい口調で答えてくれた。

言おうか迷ったけど…やっぱり碧には話すことにするよ。






「…あのね……私…」


泣くつもりなんかないのに、次々と涙が溢れてくる私を見て碧は驚いている。






「どうした?」


碧の問に首を振ると、私は涙を手で拭い鼻を啜った。

そして碧の目を真っ直ぐ見つめると…泣いてヒリヒリと痛む喉を押し殺しながら口を開いた…







「梨絵に会ったよ…」

「え…」


涙が頬を伝う。

碧は私の言葉を聞いて、一瞬時が止まったように固まっていた。





やっぱり信じてくれないよね…

そんなの…夢とか下手したらホラーとか思われてもおかしくないもん。






「…そうか」





え。



そらしていた目をもう一度向けると、碧は目を潤ませながら笑っていた。

それを見た私はより涙が溢れ出す…





碧が信じてくれないわけない…


そんな当然のことを私は一瞬忘れていた…







「あいつ…何か言ってたか?」


碧は微笑みながら私を頭を撫でて、とても嬉しそうな顔をしていた。






梨絵のいる場所から私達のことが見えてるかな…

なんだかまた3人で会えたような気がするよ…



ありがとう。


ありがとう…梨絵………







「お前が退院したら…梨絵の墓参りに行こう」

「うん」


私と碧はお互いの小指を絡ませて、ベットの上でそう約束した。



梨絵に対する罪悪感や胸に引っかかっていたものが、この時取れた気がした…

きっと碧も同じだと思う…



梨絵。

いつか私達がそっちへ行った時は、飽きるほど一緒にいようね…


その時まできっと待っていて…

そして私達を見守っていてね…
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