幼馴染みはイジワル課長
今日の碧はいつになく機嫌がよくて、よく笑うような気がする…






「…婚約報告して嬉しい?」


パイプ椅子に座っている碧に近づくと、私は持っている資料を椅子の横にあるテーブル置いた。




「お前は嬉しくないの?」

「そりゃあ嬉しいよ。びっくりしたけどね」


なんか碧らしくない行動だったから特に…





「早く言いたかったってゆうのが本音…自分はこんなキャラじゃないってわかってるけど、親や友達以外の人に早く報告したかった」

「碧…」


こんな碧初めて見た…

まるで子供みたいに目を輝かせて、キャッキャとはしゃいでいるみたいに見える。


嬉しいな…






「ぅ…」

「は?何泣いてんだお前…」


そんな碧を見た私は、目頭が熱くなりたまらずにその場で泣いてしまった。

突然のことで驚いた碧は慌てている。






「だって…」



ついこの間の私は…碧に片想いしてたんだよ?

ずっと好きだったけど言い出せなくて…辛かったけど、仕方が無くて…


碧は今は私を大切にしてくれる…

あんな子供みたいな顔で笑ってくれる…

私を愛してくれる…



碧に出会えて良かった。

碧を好きになって良かった…





「しょうがないな」

「…」


うつむいて泣く私を、碧は思い切り抱きしめてそのまま首筋にキスをしてきた。

驚いた私は、泣きながら顔を上に上げる。





「な、何やってんの?」

「え?」

「会社ではそういう事しないって前に…」


言ってませんでした?

まあ大人だし当たり前のことだけど…






「今日くらいいいじゃん」


碧はふっと微笑むと、また私をギュッと抱きしめた。

私は「そうだね」と言って碧の背中に手を回す…





仕事サボって資料室でこんなことしてる私達を…

今日くらいは大目に見てください。



私幸せ…

本当に幸せだよ。




ねえ、梨絵…

私達が見える…?













「あー…いい天気だねぇ」


雲一つない青い空に顔を向けて、背伸びをする私…


あれから半年が経ち、私達は特に何も変わることなく日々を過ごしていた。

碧は相変わらず仕事の鬼だし、私はたまに失敗はするけれど仕事にもやっと慣れてきたというところ…

変わらずに同棲中で今もラブラブです!






「転ぶなよ」


花の入った袋を持ち、碧は後ろから私にそう声をかけた。




今日は日曜日で梨絵の命日。

私達はお昼頃から、2人で梨絵の墓参りに来た。
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