幼馴染みはイジワル課長
あれ…歩未ちゃんまだ来てないな…いつも余裕の時間に出勤するからそろそろ来てもいい頃なのに…


そんなことを思っていたまま時間は過ぎて、とうとう歩未ちゃんが来ないまま朝礼が始まり業務が始業されそれぞれが仕事を開始する。

私はいつものように課長の元へ向かうと自社でのミーティングに参加して数十分後に終わると、したくをして課長と会社を出た。



歩未ちゃんに連絡する暇もなく部長にも話しかけられる隙もなかった…

部長だったら歩未ちゃんが休んだ理由知ってると思うから話しかけたかったんだけど……碧が隣にいるからプライベートなことで部長に話しかけたりなんてしたらいくらなんでも怒られる。


課長が運転する車に揺られもう一度あの用紙を見ながら、歩未ちゃんのことも気にしつつ会議のことも考える。




「車で字を読むと酔うぞ」


課長のその言葉で、自分が車に酔いやすい体質だということを思い出す。





「昔からよく車酔いしてたろ」

「そうでした…」


恥ずかしくなりながらも、用紙をカバンにしまいハハハと笑って誤魔化す。

私のそんなことまでも碧は覚えている。そんな些細なことなのにそれが私を元気つけてくれる言葉になる。

碧が言ってくれる言葉なら私にとってはなんだって力になるんだ…





「今資料を読み直しても意味がない。お前のことだからそれも何百回も読み返したんだろう…だから大丈夫だよ」

「うん…」


ほらね。また元気が出たよ…

本当にありがとう碧…私がんばるね。




オレンジ社に到着して受け付けの人に会議へ案内してもらうと、私と課長は会議の準備に取り掛かった。

白の壁にテーブルと椅子は黒で統一され、シンプルなその会議室を見ると緊張が一気に押し寄せた。





「お前はスクリーンの方をやれ。俺は資料
を並べる」

「え、でも…」


私の持っていた資料を掴むと課長は優しく微笑んだ。




「今日はお前の会議だ。俺はお前のアシスタント…だから雑用を引き受けるよ」


そう言うと、課長は手馴れた手つきでテーブルに資料を並べ始めた。

私はそんな課長を見て「ありがとうございます」と言い、自分のカバンからパソコンを出しスクリーン機械にデータを差し込む。

会議室の電気をつけたままの状態でパソコンを操作し、スクリーンに映る映像を一つ一つ確認していく…
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