幼馴染みはイジワル課長
車が会社に到着して駐車場に停まると、私はワクワクしながら心を踊らせながら車から降りた。だけど出入り口に目を向けた時…私の笑顔は一気に消えた…
「よ、お疲れ。外回りご苦労様」
近づいて来たのは部長で私と碧に向かって手を振って話しかけて来た。だけどその隣には…見知らぬ女性の姿があった。
「あら真田さん。この前はありがとうございました」
その女性はすごく綺麗な人で色白のシミ一つない肌に黒くて長い髪。清楚な雰囲気と育ちの良さがにじみ出ていて、女性なら誰もが憧れるような人…
「あ…ご挨拶が遅れてしまって申し訳ありません。私は岩本の妻の清香と申します」
その女性はにっこりと笑い私に丁寧に挨拶をしてきた。私はすぐに挨拶を返す。
「はじめまして…澤村桜花と申します」
初対面の人にはいつも大抵は緊張してあたふたしてしまう私だが、今はとても落ち着いている。
やっぱり…思っていた通り…この人は部長の奥さんなんだ…
碧から聞いていた通りの人で、まるで有名人に会ったみたいな感覚にさえなる。
「この間はご馳走様でした」
「いえいえ。こちらこそお休みの所誘ってしまってごめんなさいね」
碧に向かっておしとやかに微笑む清香さんは、笑いながら隣にいる部長に寄り添った。
「今日は何がご用事ですか?」
「近くまでショッピングに来たのでたまには主人とランチでも食べようと思って」
「ね?」と部長に相槌を打つ清香さんに、部長は頷きながら少しだけ微笑む。
「そうですか。相変わらず仲がいいですね」
仕事モードのような笑顔で言う碧に、清香さんは嬉しそうにして顔を赤らめた。
「そんな事ないんですよ~たまたまです。あ、もうこんな時間だから失礼しますね。あなた今日も早く帰って来てね」
「ああ…」
清香さんは部長のネクタイを直した後、「失礼します」と言って部長の車に乗って駐車場を出て行った。
3人だけになると、部長はタバコに火をつけて深いため息をつく。
部長のその態度にイライラした。あんな綺麗な奥さんがいてうまくいってるくせに…
歩未ちゃんは傷ついてるんだよ。
あんたのせいで…あんなに泣いてるんだよ…
なのになんて顔してんの…
あんたが歩未ちゃんをフッたんでしょ?なら嘘でもいいなら笑いなさいよ…元気でいなさいよ…そんな顔すらする資格はあんたにはない。
バンッッ
私の中で何かがプツンと切れ、気がつくと私は肩にかけていたカバンを地面に叩きつけていた。
タバコを吸っている課長と部長は驚いた様子で私に目を向ける。
「澤村…?」
震える体と流れる涙を見て課長は私を心配そうに見つめた。私は部長を真っ直ぐと見て口を開く…
「…私は……私は部長を絶対に許しませんから!会社の上司だとしてもあなたを絶対に許しません!あなたは最低な人です!」
その言葉を聞いて部長は何か察したような顔をした。そしてタバコの消して下をうつむいた。
「やめろ澤村」
「ごめんなさい…わかってます…でも我慢できないんです…歩未ちゃんがかわいそうで…歩未ちゃんの気持ちを考えると…悲しくなるんです…」
私を止めようとする碧に謝り次々と流れてくる涙を手で拭う。
上司である部長にこんな突っかかるかんて、部下としても人としても間違ってるってわかってる…だけどどうしても許せないの…歩未ちゃんを傷つけた部下を許すことができない…
「…澤村の言う通りだ。俺は最低だよ」
部長はそう言ってタバコを消すとぼんやりと空を見上げた…そして魂が抜けたような顔から急にキリッとした真剣な顔をする…
私は泣きながら手で口を押さえ部長を真っ直ぐ見つめる。
「…妻とは別れようと思ってる」
「えっ……」
部長のその告白に私と課長は驚き一瞬顔を見合わせた。
「離婚するんですか?」
課長が部長にそう聞くと、部長はニコッと微笑み軽い口調で答えた。
「…妻には近いうちに話そうと思ってるよ」
「奥さんとはうまくいってるように見えましたけど…」
私にもそう見えた。今さっきの部長と奥さんを見てこれから離婚しているようには見えなかった…
奥さんの前で部長は疲れていた表情を見せていたけど、てっきり歩未ちゃんとの事で色々あったから精神的に疲れていたのだと勝手に思っていた。奥さんは幸せそうだったし、まさか部長が離婚を考えているなんて…
「数日前…妻に歩未の事がバレた」
部長のその言葉を聞き、私は心臓が止まりそうになる。
奥さんに浮気がバレた…?あのニコニコとしてた奥さんは部長が不倫してたことを知ってるの?そんなふうにはとても見えなかったけど…
「妻にバレてしまったから俺は妻に別れを切り出そうと思った…」
「え…部長………は奥さんと別れようと思ってたんですか?」
恐る恐る部長に聞くと部長は小さく笑い「ああ…」と頷いた。そんな部長の顔を見て私の目からまた涙が溢れる。
「歩未と出会ってからずっと妻とは別れるつもりでいた。タイミングを見て離婚を切り出そうと思ってたんだ…だけど妻は元々精神が弱い人で日頃から病院に通ってる程なんだ。そんな妻になかなか離婚を切り出せなくてね…」
そうだったの…精神的に弱い奥さんにはなかなか言い出せなくて当然か。部長は歩未ちゃんとの関係をただの不倫だけとして考えてるわけじゃなかったんだ…
ちゃんと歩未ちゃんを愛していたんだ…
「よ、お疲れ。外回りご苦労様」
近づいて来たのは部長で私と碧に向かって手を振って話しかけて来た。だけどその隣には…見知らぬ女性の姿があった。
「あら真田さん。この前はありがとうございました」
その女性はすごく綺麗な人で色白のシミ一つない肌に黒くて長い髪。清楚な雰囲気と育ちの良さがにじみ出ていて、女性なら誰もが憧れるような人…
「あ…ご挨拶が遅れてしまって申し訳ありません。私は岩本の妻の清香と申します」
その女性はにっこりと笑い私に丁寧に挨拶をしてきた。私はすぐに挨拶を返す。
「はじめまして…澤村桜花と申します」
初対面の人にはいつも大抵は緊張してあたふたしてしまう私だが、今はとても落ち着いている。
やっぱり…思っていた通り…この人は部長の奥さんなんだ…
碧から聞いていた通りの人で、まるで有名人に会ったみたいな感覚にさえなる。
「この間はご馳走様でした」
「いえいえ。こちらこそお休みの所誘ってしまってごめんなさいね」
碧に向かっておしとやかに微笑む清香さんは、笑いながら隣にいる部長に寄り添った。
「今日は何がご用事ですか?」
「近くまでショッピングに来たのでたまには主人とランチでも食べようと思って」
「ね?」と部長に相槌を打つ清香さんに、部長は頷きながら少しだけ微笑む。
「そうですか。相変わらず仲がいいですね」
仕事モードのような笑顔で言う碧に、清香さんは嬉しそうにして顔を赤らめた。
「そんな事ないんですよ~たまたまです。あ、もうこんな時間だから失礼しますね。あなた今日も早く帰って来てね」
「ああ…」
清香さんは部長のネクタイを直した後、「失礼します」と言って部長の車に乗って駐車場を出て行った。
3人だけになると、部長はタバコに火をつけて深いため息をつく。
部長のその態度にイライラした。あんな綺麗な奥さんがいてうまくいってるくせに…
歩未ちゃんは傷ついてるんだよ。
あんたのせいで…あんなに泣いてるんだよ…
なのになんて顔してんの…
あんたが歩未ちゃんをフッたんでしょ?なら嘘でもいいなら笑いなさいよ…元気でいなさいよ…そんな顔すらする資格はあんたにはない。
バンッッ
私の中で何かがプツンと切れ、気がつくと私は肩にかけていたカバンを地面に叩きつけていた。
タバコを吸っている課長と部長は驚いた様子で私に目を向ける。
「澤村…?」
震える体と流れる涙を見て課長は私を心配そうに見つめた。私は部長を真っ直ぐと見て口を開く…
「…私は……私は部長を絶対に許しませんから!会社の上司だとしてもあなたを絶対に許しません!あなたは最低な人です!」
その言葉を聞いて部長は何か察したような顔をした。そしてタバコの消して下をうつむいた。
「やめろ澤村」
「ごめんなさい…わかってます…でも我慢できないんです…歩未ちゃんがかわいそうで…歩未ちゃんの気持ちを考えると…悲しくなるんです…」
私を止めようとする碧に謝り次々と流れてくる涙を手で拭う。
上司である部長にこんな突っかかるかんて、部下としても人としても間違ってるってわかってる…だけどどうしても許せないの…歩未ちゃんを傷つけた部下を許すことができない…
「…澤村の言う通りだ。俺は最低だよ」
部長はそう言ってタバコを消すとぼんやりと空を見上げた…そして魂が抜けたような顔から急にキリッとした真剣な顔をする…
私は泣きながら手で口を押さえ部長を真っ直ぐ見つめる。
「…妻とは別れようと思ってる」
「えっ……」
部長のその告白に私と課長は驚き一瞬顔を見合わせた。
「離婚するんですか?」
課長が部長にそう聞くと、部長はニコッと微笑み軽い口調で答えた。
「…妻には近いうちに話そうと思ってるよ」
「奥さんとはうまくいってるように見えましたけど…」
私にもそう見えた。今さっきの部長と奥さんを見てこれから離婚しているようには見えなかった…
奥さんの前で部長は疲れていた表情を見せていたけど、てっきり歩未ちゃんとの事で色々あったから精神的に疲れていたのだと勝手に思っていた。奥さんは幸せそうだったし、まさか部長が離婚を考えているなんて…
「数日前…妻に歩未の事がバレた」
部長のその言葉を聞き、私は心臓が止まりそうになる。
奥さんに浮気がバレた…?あのニコニコとしてた奥さんは部長が不倫してたことを知ってるの?そんなふうにはとても見えなかったけど…
「妻にバレてしまったから俺は妻に別れを切り出そうと思った…」
「え…部長………は奥さんと別れようと思ってたんですか?」
恐る恐る部長に聞くと部長は小さく笑い「ああ…」と頷いた。そんな部長の顔を見て私の目からまた涙が溢れる。
「歩未と出会ってからずっと妻とは別れるつもりでいた。タイミングを見て離婚を切り出そうと思ってたんだ…だけど妻は元々精神が弱い人で日頃から病院に通ってる程なんだ。そんな妻になかなか離婚を切り出せなくてね…」
そうだったの…精神的に弱い奥さんにはなかなか言い出せなくて当然か。部長は歩未ちゃんとの関係をただの不倫だけとして考えてるわけじゃなかったんだ…
ちゃんと歩未ちゃんを愛していたんだ…