いつかあなたに還るまで
そして迎えたあの日。
初めて会うその女性はいかにもお嬢様然とした雰囲気を醸しだしていた。ハーフかクォーターにも見えるその容姿は、多くの異性を惹きつけるであろうものだった。
だがそれだけではなかった。
彼女の目には明らかな警戒の色が滲んでいた。
きっと彼女にとっては望まぬ場だったのだろう。
部屋に入って顔を見た瞬間、彼女がとても驚いた顔をしたのを見逃さなかった。
何故彼女があんなに驚いたのかはわからない。自惚れるつもりはないが、決して悪い容姿はしていないと自覚している。だから初対面でじっと見られることは珍しいことではなかった。
だが彼女のそれはどこか違っていた。
何がと言われても自分に知る術はない。
若干の引っかかりを覚えたが、すぐに彼女の表情も変わる。
表面を取り繕ってはいるが、終始こちらに探りを入れる目をしていた。
…思っていたよりも手強い相手のようだ。