音楽が聴こえる
今日はグラタンコロッケと鶏の唐揚げが付くようだ。


それにしても悟さんって人は、つくづくヘビースモーカーらしい。

既に悟さんの口には煙草が挟まってた。

俺の視線を感じたのか煙草に火を点けながら「お前吸うっけ?」と悟さんに訊ねられた。

「吸わねっすよ。喉がイガイガするんで」

俺の答えに悟さんはニヤリとした。

「あいつんとこの高校生に、んなこと聞いたら怒られるな」

「……香田先生、結構怖かったっすね」

斗夢が突然、思い出したように笑い始めた。

「あんまりエルボ入れんの早いんでビビりましたよ」

「あいつのアレ、めちゃくちゃ痛てぇんだよな。すぐに怒るしよ」

その割りに悟さんは怒るふうでもなく、寧ろ悪戯してからかって悦んでるガキみてーだ。


「悟さんと香田先生って古い友人って奴なんっすか?」

皆がそれぞれ腹ん中で思ってた疑問を、山路がさらりと口にした。

……お前って、たまに勇者。
それとも、ただの空気読まない奴か。

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