音楽が聴こえる
辛そうな顔をする佐由美さんもまた自身を責めていたんだと思うと、申し訳無さが募った。


ーーあたしという存在が罪悪感を与えている。



「……あれで良かったんだよ。あなたがダイちゃんと離れてるなんて、想像出来ないもん」

あたしは佐由美さんの空いたグラスにビールを注いだ。

「悟にも言われたよ。拘ってるのかって」

言われた時の切なさは、決して口には出来ないけど。

あたしもビールを一口飲んで、小さく笑ってみせる。

「それって、なかやんが話せって言ったの?」

「そーゆーこと。っても、シュウから連絡来たのなんて何回も無かったよ」

三週間位前に、ニ回程着信履歴が残ってただけだ。それに対して、何のアクションも起こして無いけど。

「シュウもプライド高いから」

それは知っている。彼はそういう人間だ。

人一倍プライドが高くて、それでいて繊細で。
自信家で甘えたがりで。
酷く、複雑な人。
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