音楽が聴こえる

「でも何で? あの人があたしなんかに連絡取ろうなんておかしくない?」

「実はシュウ……先週の頭にミーティング中、お腹痛くなって倒れたの。まぁ、思った程じゃなくて、過度のストレスと不眠、飲酒が原因らしいんだけど。胃に穴が開いて、絶食して薬物治療中だって」

……喉が詰まった気がした。

「……今も…入院中?」

「明後日辺り退院みたいよ」

あたしは息を「フ」と吐いた。
いつの間にか息を止めてたみたいだ。


「なかやんには、お前から話して欲しいって言われて」

「悟……知ってたんだ」

「うん。昨日も病室に顔出してたみたいだし」


悟は何も話さない。

いつも、そうだ。


あたしの複雑な気持ちを察したのか、佐由美さんは口を閉ざす。

「佐由美さん、ごめん。嫌な役、押し付けられたね」

あたしの言葉に佐由美さんは頭を振った。

「茉奈ちゃんは謝んないで。あいつ等、勝手なんだから。シュウなんか自業自得だってあたしは思ってる。でも、そう言ったら、ダイに『何も知らないクセに批判するなっ』怒鳴られて、ね。……それが喧嘩の真相」


< 120 / 195 >

この作品をシェア

pagetop