音楽が聴こえる
ーーー
ベッドの上で転がされて、なかされて、流されて。

結局はいつものパターンに陥った。

枕元の時計は23時31分。
思ったほどは寝てないみたいだ。

明日はまだ木曜日で、どんなに疲れてても仕事はあるし。

……帰んなきゃ。

ムックリと起き上がり、ヤバい格好と揶揄されたブラウスとタイトスカートをつまみ上げた。

でも薄手のストッキングは着用不能。

悟の乱雑な手付きは、そもそも壊さずに脱がす気など無かったのでは?

あたしはそれを枕元のゴミ箱に投げ捨てて、ブラジャーとパンティを探す。

あいつは一体何処に置いたのか。

裸でベッド回りを見回しても、見当たらない。

……もしかしてこの中?

タオルケットをめくってみると、寝息をたてて寝ている悟の背中の下敷きになっていた。

潰されてる。それも思いっきり。

その背中に無理矢理、手を滑り込ませようとしても、重くてびくともしない。
< 53 / 195 >

この作品をシェア

pagetop