White Magic ~俺様ドクターの魔法~



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「もも、同窓会行けるの?」


束ちゃんが、昼休憩に聞いてきた。


「あっ、忘れてた!」


「お前なぁ。仕事ではしっかりしてるのに、プライベートは全然やな」


本当に忘れてた。


スケジュール帳を見ると、

【5月3日 19時~  同窓会】

しっかり書きこまれていた。


あぁ、今日は、瞬さんの家に行こうと思っていたのに。

でも、みんなにも久しぶりに会いたいしな。

高校の卒業式から会っていない子だったら8年かぁ。

ゴールデンウィーク中だから集まりも結構いいって幹事の子が言ってたっけな。


私は、屋上に行き、瞬さんに電話をした。



「瞬さん、今大丈夫?」


「あぁ、どうした?」


「今日ね、実は、同窓会があってね・・・私忘れてて・・・」


「そっか、じゃぁ、迎えに行かなくていいんやな」


『迎えに行かなくていい』か・・・これって・・・じゃまくさいってこと?


「あ、うん」


「じゃぁ、俺、休憩終わりやから、切るな」


「あ、うん」


きちんと返事をする前に、一方的に切られてしまい、私の耳には機械音が響いていた。


なんか・・・私だけな感じ。

少しネガティブに考えすぎなのかもしれないけど、なんだか不安ばかりが募る。



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