White Magic ~俺様ドクターの魔法~


「さ、さ、佐々木先生!」


「えっ?」


私は、束ちゃんの言葉に驚き、振り返ると同時に後ろから抱きしめられた。


「これ、俺のやから」


ただ、そう彼は呟いた。


きっと、彼の視線は束ちゃんに向いているのだろう。


しかも、ものすごく睨んでいるのでは?


「も、も、も、も、も、もも・・・・・・お前・・・佐々木先生と・・・」



いったい「も」を何回言ってるんよ!


それより、この体勢やめてほしいんですけど。


瞬さんは、私を抱きしめて離そうとしない。


しばらくすると、周りのみんなも私たちの様子に気付いた。



「あれ?ももちゃんの彼氏?」


「めっちゃ、かっこいい!」


なんてこちらを見ながら口々に言っている。


しかし、私の目の前の束ちゃんが一番驚いていて、私の後ろの瞬さんが一番冷静にいるはず。


「俺と付き合ってるんだけど、文句ある?」


ものすごく低い声でまるで脅すように言う瞬さんに、完璧束ちゃんは固まっていて、

「い、いえ、文句ありません」

と噛みながら言っていた。


「瞬さん、ちょっと離して」


恥ずかしさのあまりそう言ってしまったが、それは今の彼には逆効果で、「こいつに見られるのが、そんなに嫌か?」と耳元で囁かれた。


はぁ、こいつって束ちゃんよね?

病院の人に見られて噂になるのは困るのは、瞬さんでしょ?

でも、今の言い方は違う。


きっと、大きな勘違いをしている。



そして、それは束ちゃんも気付いたようで、

「さ、さ、さ、佐々木先生、俺と、も、も、百井さんは、ただの同級生です」


かなりビビりながらも必死で説明した。


「ほんまか?」

瞬さんのその言葉に私たちは、頭が飛んでいきそうなくらい頷いた。

そうすると、ようやく抱きしめられていた腕の力が緩んだ。


それと同時に、ドッとみんなが集まって来た。



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