White Magic ~俺様ドクターの魔法~


「睦美、さっきの話なんやけど」


さっきの話?


私が理解していない事がわかったのか、彼は、すぐに話し始めた。


「家を継ぐとかいう話」


「あっ、うん」


「一回救急へ行こうかと思って・・・」


真剣な表情をしている彼の顔を見つめ、次の言葉を待った。


「前から救急の部長に『来ないか?』って言われててさ、その時は、行く気もあまりなかったんやけど、ばあちゃんの件があって、やってみたいと思って来たんや」


すごい事やと思う。


彼みたいな優秀なドクターが救急にいるのは心強いと思う。


それに、患者さんを助けたいという気持ちが人一番強い。


彼にとってもいい仕事ができると思う。



「ドクターヘリに乗ってさ、修行しようと思ってる」



県内に1機あるドクターヘリは、瞬さんの大学病院にある。


「かっこいい!」


ドクターヘリに乗っている瞬さんの姿を想像するだけでかっこいいと思ってしまい、口に出してしまった。


「今さら?」


ご飯を口に運びながら言う彼は、本当にかっこよかった。


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