甘いヒミツは恋の罠
(……そういえば、昔小さい頃に似たようなことがあったっけ)


 祖母にルビーのネックレスをもらったことが嬉しくて、次の日学校に着けて行くと、仲のよかったクラスメートの態度が一変した。



 ――紅美ちゃんのこと、本当は嫌いだったんだから!


 ――皆本さんが悪いんですよ……。



 一番の友達だと思っていた子が自分に吐き捨てた言葉と重なると、あの時受けたショックが彷彿とされる。


 小学生の時に受けたいじめは、今でもふとした瞬間に思い出す。それは、ほんの些細なことから始まった。


 紅美はそれ以来、嫌がらせで体育倉庫に閉じ込められたり、小学生のくせに気取ってるなどと言いがかりを付けられて、皆から避けられるようになった。その時の記憶がふつふつと蘇って、ぎゅっと胸が締め付けられた。


(朝比奈さん……)


 紅美は次第にまどろんでいく意識の中で、何度も朝比奈の名前を呼んだ――。
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