甘いヒミツは恋の罠
※ ※ ※

「なんだ久しぶりに呼び出されたかと思ったら……もう少しマシなカフェはなかったのかな?」


 いつものカフェで朝比奈がとある人物を待っていると、その男がやってきた。


 大野隆史は、朝比奈にとって旧知の仲でありライバルでもあった。


 あの日までは――。


 顔見知りの店員が、いつものストロベリーサンデーを用意しようかと迷っているのを見て、朝比奈は今日はいいと合図をする。大好物のストロベリーサンデーだったが、この男の前ではその味を堪能することはできない。


「カフェラテお待たせいたしましたー」


 あらかじめ頼んでおいたカフェラテが二つテーブルに運ばれてくる。


「なんだ、気が利くね。外は寒かったから、ちょうどいいよ」


「まぁ、足を運んでもらったお駄賃だ」


「おいおい、子供扱いするなよ」


 朝比奈は心底この目の前にいる世間知らずのボンボンが嫌いだった。周りから自分と大野は昔からの仲だと噂されるのも心外だった。


 当の大野も自分が朝比奈に忌み嫌われているということは気づいているはずだ。
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