甘いヒミツは恋の罠
「それで? ここに僕を呼び出した理由って? 大概予想はついてるけどさ」


「単刀直入に言うが……あの女に何を吹き込んだ?」


「あの女……あぁ、紅美さんのこと? あの女だなんて、相変わらずガラ悪いな」


 皮肉を交えて言うと、大野は遠慮なく用意されたカフェラテに口をつけた。


「あの子、君のことを知りたくて知りたくてたまらないみたいだね。まぁ、瑠夏みたいないかにも謎の塊って男、ああ言う純粋無垢な子にはミステリアスで魅力的なんだろうな」


「絵里の話をしたのはお前だろ?」


「名前は出してないよ、ただ婚約者がいたって話はしたかな。あぁ、瑠夏がデザインした渾身の指輪も持ってかれた話もしたかな……それがどうかした? 紅美さん、瑠夏にもう一度指輪のデザインをして欲しいって思ってるみたいだけど?」


 挑発的な大野の口調が朝比奈を苛立たせる。それでも朝比奈は平静を装った。
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