冷たい上司の温め方
「ちょっと失礼します」
彼の額に手を当てると、楠さんは驚いて払いのけた。
「帰りましょう」
「大丈夫だ」
すごい熱だ。
こんな状態では座っているのも辛いだろう。
「ダメです。シモベが送りますから」
「いいから、あっちに行け」
シッシッと手で払われたけれど、放っておけるわけがない。
慌てて店員にタクシーの手配を頼むと、笹川さんに耳打ちした。
「楠さんが体調悪そうなんです。私、送ってきますから……」
「ホントに? それなら、俺が行くよ」
「おーい三課のおねーちゃん、笹川君といちゃついてるの?」
笹川さんが立ち上がろうとすると、酔っ払った二課の村川さんが絡んでくる。
それどころじゃないんですけど……。