冷たい上司の温め方

「大丈夫です。今日も頑張ります」

「麻田。これを読んでおけ」


今度は女子社員のリストラだ。
遊び気分で会社に来ているのか、役に立たないうえ、遅刻だらけだ。


「わかりました」


熱心に資料を読みだす美帆乃は、いつまで経ってもリストラに慣れた様子はなく、険しい顔。
だけど、他人事だと平気でクビを宣告できるヤツより、人間味があっていいかもしれない。


その後は通常業務だ。

美帆乃は少しでも時間ができると、自主的に他課に仕事を探しに行ってこなしている。

そして、他の部署を回ったときは、必ずなにかしらの報告をするようになった。
成長したものだ。


「電算部の新人の田中さん、すごく頑張ってました。部長が褒めていらっしゃいました」

「そうか」


こうして些細な噂を常に耳に入れておくことが、後で役に立つことも多い。
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