冷たい上司の温め方

「というわけだ。遠藤さんに色々教えてもらえ。
タイムカードは、あそこ。
学生なことは話してあるから、授業の時は遠慮なく抜けていい。
それじゃあ、遠藤さん。よろしくお願いします」

「はい、はい」


こんなの聞いてない。
てっきり、あの人のアシスタントかなにかをするのだとばかり思っていたのに、掃除?


ムカつくほどビシッとスーツを着こなした銀縁メガネが颯爽と出ていくを見て、思わず鼻息が荒くなる。


「麻田さん。嬉しいわ。
最近は若い子はこんなことしたがらないでしょ。でも大切なことなのよ」


確かに大切だとは思う。
誰かがやらなければならない仕事だ。でも……。


「あなたの勉強したいっていう気持ち、応援するわ。
私達、色々なフロアに行くから、会社の事は意外と知ってるのよ」

「はぁ。よろしくお願いします」




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