冷たい上司の温め方
ハテナマークいっぱいの顔をしていると、遠藤さんがクスクス笑う。
「かわいい子には旅をさせろよ。そのうちわかるでしょ。
麻田さん。あなたのその素直さはいつか武器になるわ。
多分、苦労もするけどね。
それでもその素直さは絶対に忘れてはいけないわよ。
さて、上のフロアに行きましょう」
ハテナマークがさらに頭の中で広がったまま、遠藤さんに促されて掃除道具一式を持つ。
ふと振り返ると、自分が丁寧に拭きあげた真っ白な床が輝いて見えて、なんだかテンションが上がった。
「あっ……」
さっきのイケメンがまた歩いている。
ここ、ここ!
胸の中でテレパシーを送ってみたところで、私になんて気がつくはずもない。
だけど、「そこ、私が磨いたの」とバカなことを心の中で叫んで、勝手に自己満足してみる。