何度でもキミに初恋を
『飲食のブースはやっぱりこっちかな?』

『メインステージはここに決定でいい?』


ホワイトボードに書き込みながら、当日のレイアウトを決める。


私たちは、あぁでもない、こうでもない、と話し合う。


『飲食ブースはこのへんでいいとして』

柚樹先輩は少し考え込むと、急に里奈ちゃんに向かって、

『小林は飲食だったら、まず何から向かう?』

と聞いた。

里奈ちゃんは頬をピンクに染めて、


『あ…あたしだったら、綿菓子…かな』

と言う。


里奈ちゃん、甘いもの苦手じゃなかったっけ?


ぼーっと考えていたら、

『篠崎は?』

と急に振られた。


『私は焼鳥ですね!』

鼻の穴をふくらませながら私はキッパリ答える。


『そのあとに焼きそばです。で、フランクフルトですね。たこ焼きでもいいんですが、焼きそばもソース味だから、一回フランクフルトを挟みます!』


柚樹先輩はニッコリ笑って、
『そう。参考にする。ありがとう』

と言った。



ほほぅ、
この笑顔にみんなクラクラとしちゃうわけね。


隣を見ると、里奈ちゃんが今にも倒れそうなくらい、真っ赤な顔をしていた。




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