それでもキミをあきらめない
まさか、という気持ちと、そうかもしれない、という気持ちが、胸の奥で交錯する。
隠したのだとしたら、どうして?
星野彗がわたしを見つけるのが、嫌だったということ?
どうして?
視界の中で、高槻くんが星野彗を追い返すように背中を押している。
それは、普段彼らが見せる何気ないじゃれあいに見えないこともないけれど、高槻くんの声はどことなく硬くて、そっけない感じがする。
「ほらセイ、さっさと行けよ」
「押すなって。つかなんだよさっきから。扱いが雑! 優しくしないと泣くぞ!」
あの高槻くんが……まさか嫉妬?
一瞬よぎった考えを、首を振って打ち消すけれど、一度思い浮かべてしまった想像は、しつこくわたしの頭を占拠して、なかなか消えてくれなかった。