それでもキミをあきらめない
「あんなブスに告るなんて、ほんとすげーよ」
その一瞬で、またたく間に世界から色が失われた。
忘れていた重力が何十倍にもふくれあがって、わたしを地面に叩きつけ、隕石を引き寄せ、天井を突き破って頭上で破裂した。
衝撃波のせいで何も聞こえない。
何も言葉にできない。
クラスメイトたちが、笑顔を咲かせて横を通り過ぎていく。
誰にも声をかけられず、
誰にも気づかれない。
そうしてわたしは、また、輪郭を失ったのだ。