それでもキミをあきらめない



心配そうな表情に、わたしはあわてて立ち上がった。

ずれたメガネを直してスカートのほこりを払っていると、高槻くんがチラシを拾い上げる。


「小塚のクラスはお化け屋敷だっけ」

「う、うん。チラシ係りなんだけど、ひとりで配るのは恥ずかしいなって思って」
 

歴史クラブの展示を見に行った朝子を呼びに行く途中なのだ、と説明すると、彼は散らばったチラシ集めを手伝ってくれた。


「あの、ありがとう、でも、いいよ。急いでるんでしょ?」
 

男子生徒が走り去った方向を示しても、高槻くんは「ああ」とか「うん」とか曖昧な返事をするだけだ。
 
結局最後の一枚を集めるまで付き合ってくれた。


「あ……ありがとう」
 

どういうわけか、胸が激しく高鳴って、彼の顔をまっすぐ見られない。


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