それでもキミをあきらめない
「朝子ちゃ」
あわてて階段をのぼる。
踊り場を回ろうとしたとき、勢いよく下りてきた男子生徒に突き飛ばされるようにして壁にぶつかった。
「きゃっ」
持っていたチラシが、強風に舞う木の葉のように、あたりに散らばる。
「いた……」
ぶつかった男子生徒は、座り込むわたしを気にも留めず、一段飛ばしで階段を下りていく。
それを追いかけるように、上から声が降った。
「おい、待てって!」
耳になじんだ低い音に、心臓がどくんと反応する。
「大丈夫か?」
顔を上げると、高槻くんの整った顔が目に入った。
「怪我とか」
「だ、大丈夫!」