それでもキミをあきらめない



「あ、ごっめーん。うちのメイド喫茶、女子は入店禁止なんだわ」

「え……」
 

高槻くんからパスタのトレーを奪い、わたしに押し付ける。


「悪いけど、しばらくひとりで頑張ってくれる?」

「なんだよそれ。じゃあ俺も行かねえし」
 

戻りかけた高槻くんを先輩たちが押しとどめる。


「ダメだよレオ、約束したじゃん。うちら6つも買ったんだよ、この激マズパスタ」 
 

トレーにはまだ10個もパスタが残っている。
 
高槻くんの人気をもってしてもなかなか売れないこれを、6つ分売り上げるのはなかなか骨が折れる作業だ。


「じゃあ、金返すから――」

「平気!」
 

高槻くんがポケットから売上金を出す前に、わたしは声を上げた。


< 75 / 298 >

この作品をシェア

pagetop