それでもキミをあきらめない
「あ、ごっめーん。うちのメイド喫茶、女子は入店禁止なんだわ」
「え……」
高槻くんからパスタのトレーを奪い、わたしに押し付ける。
「悪いけど、しばらくひとりで頑張ってくれる?」
「なんだよそれ。じゃあ俺も行かねえし」
戻りかけた高槻くんを先輩たちが押しとどめる。
「ダメだよレオ、約束したじゃん。うちら6つも買ったんだよ、この激マズパスタ」
トレーにはまだ10個もパスタが残っている。
高槻くんの人気をもってしてもなかなか売れないこれを、6つ分売り上げるのはなかなか骨が折れる作業だ。
「じゃあ、金返すから――」
「平気!」
高槻くんがポケットから売上金を出す前に、わたしは声を上げた。