幸せにする刺客、幸せになる資格
『ママぁ、もうごはんいらない』
『パパぁ、熱いからフーフーしてぇ』

子供達は大人の会話の流れに構わず口を挟む。

ノリが子供達をお風呂に入れ、私が寝かせるのが日課。

疲れてそのまま一緒に寝ちゃうこともあるけど。
今日は寝かしつけ、リビングに戻ってきた。

いつもなら、ノリと夫婦の時間。
けど、今日はまだ大和くんがいる。
離れの自分の部屋には行かずに。

『父さん、何で琴乃と俺の関係を聞いてこないの?普通、親なら気になるもんじゃないの?』
『お前も面白い物言いだな』

父親が気にしないことを気にするなんて。

『お前の言う通り、親なら子供の交遊関係はある程度把握しておくべきだとは思う。けど、父さんがお前くらいの年の頃は、彼女の存在は親には隠したいものだったけどな』
『うん。でも琴乃のことは、ちゃんと父さんに話したい。いい?』

大和くんはいつになく真顔。
かなり大人な顔つきになったなぁ、と改めて思う。

『いいよ』

ノリは真剣な大和くんに、真顔で挑む。
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