幸せにする刺客、幸せになる資格
僕もりんご農家として軌道に乗せることに必死で、大和には必要最低限のことしかしてあげられなかった。
母親がおらず、甘えられる環境が全くない。
今にして思えば、大和は全く泣くこともなく、わがままも言わない子供だった。
と、同時に、早くに自我が目覚め、妙に大人の思考になるのが早かったようにも思う。
琴乃ちゃんにぜひ、大和との歴史をしってもらおうと身の上話をしたら、再び涙を流してしまった。
『泣くなよコト。俺は今、十分幸せだよ。父さんが幸せなら、俺も幸せなんだ。まぁ、少し幸せ過ぎて亜香里ちゃんとの仲が良すぎた結果、家族はすごく増えたけど』
大和の言葉に、琴乃ちゃんは笑った。
「紅葉・・・大和の母さんと亜香里は比較できない。何故なら、僕にとっては2人はひとつの人格に思えてならないんだ。違う土地で違う人生を紅葉も亜香里も送っていたはずなのに、何でだろうな」
『それが、母さんが送り込んだ"刺客"ってわけでしょ?亜香里ちゃんは』
『シカク、ですか?』
琴乃ちゃんはポカンとした表情をしている。
「亜香里は、紅葉が送った僕を"幸せにする刺客"なんだと考えているんだ」
『この話、何回も俺は聞かされているけどね。これも亜香里ちゃんへの愛が強い証拠なんじゃない?』
母親がおらず、甘えられる環境が全くない。
今にして思えば、大和は全く泣くこともなく、わがままも言わない子供だった。
と、同時に、早くに自我が目覚め、妙に大人の思考になるのが早かったようにも思う。
琴乃ちゃんにぜひ、大和との歴史をしってもらおうと身の上話をしたら、再び涙を流してしまった。
『泣くなよコト。俺は今、十分幸せだよ。父さんが幸せなら、俺も幸せなんだ。まぁ、少し幸せ過ぎて亜香里ちゃんとの仲が良すぎた結果、家族はすごく増えたけど』
大和の言葉に、琴乃ちゃんは笑った。
「紅葉・・・大和の母さんと亜香里は比較できない。何故なら、僕にとっては2人はひとつの人格に思えてならないんだ。違う土地で違う人生を紅葉も亜香里も送っていたはずなのに、何でだろうな」
『それが、母さんが送り込んだ"刺客"ってわけでしょ?亜香里ちゃんは』
『シカク、ですか?』
琴乃ちゃんはポカンとした表情をしている。
「亜香里は、紅葉が送った僕を"幸せにする刺客"なんだと考えているんだ」
『この話、何回も俺は聞かされているけどね。これも亜香里ちゃんへの愛が強い証拠なんじゃない?』