幸せにする刺客、幸せになる資格
『大和が6月に17歳になる高校2年生、次男の和志が9月で7歳になる小学校1年生、長女の日和が11月で6歳になる保育園の年長組、次女の和深が12月で4歳になる保育園の年少組、三男の悠和が間もなく1歳になる』

ノリがスラスラ答えた。

『みんな名前に"和"がつくんだな』

"和"という字を全員の名前に入れている理由は、大和くんの名前と共通させることで、母親の違うきょうだいとの疎外感を出来るだけ少なくする目的があったんだけど・・・

そもそも"和"は"争いごとがなく穏やかにまとまる"という意味もあり、ノリが好きな漢字だというのが、みんなに"和"を含めた名前をつける最大の理由。

『本題に入りましょうよ、社長』

ノリはお義父さんの言葉には反応せず、家族の話を終わらせた。

『ちょっと、ノリ冷たいわよ。せっかく久しぶりの親子の対面なのに』

お義母さんはノリの態度に納得いかないようだ。

「今日は僕の近況を聞きにここにいらしたのですか?それなら話が違います。僕は貴方達と話すのはビジネスのことだと聞きました。もしこのまま脱線する話を続行することを望むなら、お帰りいただくことになりますけど、よろしいですか?」
『分かった。この話は止めるよ。お前は黙ってなさい』

ノリの毅然とした態度に、お義母さんも屈したようだ。
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