幸せにする刺客、幸せになる資格
夜、寝かしつける時も亜香里が添い寝すると全く寝ないユウなのに、琴乃ちゃんだと簡単に寝る。

"多分琴乃ちゃんには私にない才能か、そうじゃなければ魔法を持っているんだよ"と、琴乃ちゃんの存在に遠回しに感謝をしている。

「なぁ、亜香里の体調が良ければ、正月、みんなで東京行かないか?」
『東京?お爺ちゃんとお婆ちゃんのところ?』

大和が聞く。

「大和がどう思おうと、僕にとっては親なんだ。琴乃ちゃんのお母さんが亡くなったように、親はいつまでも生きているものではないし、順番的には必ず先に死ぬんだ。いつまでもいがみ合ってもしょうがない。だからみんなで押しかけて、"賑やか攻撃"でもしてやろうかと思ってさ。大和、いいか?」
『俺は、コトと一緒なら行ってもいいよ』
『私は行きたいです、東京』

琴乃ちゃんは、学校の修学旅行を含めても、東京へは行ったことがないらしい。
先日の修学旅行は、沖縄だった。

「実家に連絡と、あと宿泊先を確保しなきゃ」
『今から取れるの?』

正月まであと1週間くらいしかないから、亜香里が心配した。

「そこは僕の"ナルガクネットワーク"を駆使するよ」
『あ、健吾さんだ』
『正解』
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