幸せにする刺客、幸せになる資格
そんな姿を見て、つくづく子供が羨ましくて、大人の邪念の多さを感じた。
僕も、大和のように素直な気持ちを口にしたい。

そして彼女から確実に感じたんだ。
子供の大和だけではない。
僕をも巻き込む、その母性を―

12月。

クリスマスイブ・・・の前の日の23日。
この日は祝日の日曜日で、つまり翌日のイブは振替休日になる。

昨日は雪がチラついたけど、今日は快晴。
収穫が終わって剪定まではひと段落な時期だ。

大和は近所のおうちでクリスマス会をやるらしく、プレゼント交換用に買った戦隊モノのペンケースを持ってお昼前に出掛けて行った。

この日に合わせて、僕は亜香里さんと約束をしていた。

どこかへ出掛けるかと提案をしたけれど"大和くんに何かあってはいけないから"と、家に来てくれることになった。

僕は今日、彼女に全てを話そうと思う。
そして、彼女の判断を仰ぐんだ。
過去を話し、今を話し、これからを話そう。

そう思いながら、彼女のためにランチを用意して、彼女が来るのを待った。
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