幸せにする刺客、幸せになる資格
「亜香里さんも、食べますか?」
『でも、大和くんが食べるのに、私まで頂いては勿体ないので』
「もう今日食べきらないとならないのに、大和と僕だけでは無理なんですよ。爺ちゃん婆ちゃんは洋菓子を食べないし、ぜひ消費して行ってください」

大和がリビングに来ると、彼女の隣に座った。

『久しぶりだよね、ここに座ってお父さんと話しているの』

大和の言う通り。
僕が彼女を避けていたから。

『亜香里ちゃん、僕、亜香里ちゃんのアップルパイが食べたい』
「大和。さっきお父さんからもお願いしておいたから」
『収穫が終わったら、作ってくるってお父さんと約束したからね』

3人でタルトを食べる。

『この美味しさには負けると思うけど』

すると、大和は首を横に振った。

『亜香里ちゃんのだから食べたいの。僕、亜香里ちゃん大好きだもん』

おい、大和。
愛の告白かよ。

すると、彼女は大和を見て微笑んだ。

『ありがとう、大和くん。私も大和くん大好きだから、今度作ってくるね、アップルパイ』
『うん。カスタードクリーム入れてね』
『もちろん』
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