幸せにする刺客、幸せになる資格
ノリさんの実家からは、蜂矢さん夫婦を紹介されただけで、他は何の援助もなかった。
ほぼ身1つで追い出され、海外旅行用のキャリーバッグを引き、大和くんをスリングで抱え、ここ、安曇野に乗り込んだ。
その苦労を聞いた私は、涙をこらえることが出来なかった。
『キャリーバッグは僕のだけど、スリングは、実はそっと健吾からプレゼントされたものだったんだ。"お前のことは憎いけど、生まれた子供に罪はない"って』
高校を中退するつもりで安曇野に来たものの、蜂矢さん夫婦からの勧めもあり、あと半年ほどで卒業できる高校だけは出ておけと言われ、大和くんを託して一旦東京に戻ったノリさん。
その間は定食屋の店主の計らいで、紅葉さんが住んでいたアパートで半年を過ごした。
『親はそれでも、ナルガクの学費だけは出して貰えてたよ。すでに卒業までの授業料を先払いされていた。けど、親に会うことはなかった』
高校3年生のノリさんにはかなり辛い環境だったが、どうにか卒業にこぎつけた。
卒業すると同時に、りんご農家としての人生をスタートさせた。
近くに寺があり、そこに紅葉さんの墓も建てた。
ほぼ身1つで追い出され、海外旅行用のキャリーバッグを引き、大和くんをスリングで抱え、ここ、安曇野に乗り込んだ。
その苦労を聞いた私は、涙をこらえることが出来なかった。
『キャリーバッグは僕のだけど、スリングは、実はそっと健吾からプレゼントされたものだったんだ。"お前のことは憎いけど、生まれた子供に罪はない"って』
高校を中退するつもりで安曇野に来たものの、蜂矢さん夫婦からの勧めもあり、あと半年ほどで卒業できる高校だけは出ておけと言われ、大和くんを託して一旦東京に戻ったノリさん。
その間は定食屋の店主の計らいで、紅葉さんが住んでいたアパートで半年を過ごした。
『親はそれでも、ナルガクの学費だけは出して貰えてたよ。すでに卒業までの授業料を先払いされていた。けど、親に会うことはなかった』
高校3年生のノリさんにはかなり辛い環境だったが、どうにか卒業にこぎつけた。
卒業すると同時に、りんご農家としての人生をスタートさせた。
近くに寺があり、そこに紅葉さんの墓も建てた。