幸せにする刺客、幸せになる資格
大和が寝た後は、大人の時間。
世の中の子供のいる夫婦は、みんなそうだろうし。

"父親"ではなく"男"になる。
亜香里も"大和が好きなお姉さん"ではなく"僕の好きな女性"になる。

「毎日でもこうなりたいと思う僕って、イヤらしいかな?」
『ううん。私も気持ちは一緒だから』

既に1つに繋がっている体制の中、言葉でも確かめ合う、心の繋がり。
この愛情を育んで、早く実らせたい。
気持ちが溢れつつ、1度目の快楽を得た。

すぐに2度目を交わした後、僕はさらに言葉にした。

「今度、亜香里の家にご挨拶に行かなくちゃな」
『いいよ、まだ』

亜香里は遠慮がちに言うけど、

「早く一緒にいられる環境が欲しいから」

それが僕の正直な気持ちだった。
でも、亜香里の気持ちが追いついていないなら、話は別だ。

『ノリもそう思ってくれたの?どうして私の気持ちが分かるの?』
「どうした?」
『貴方は私が担当になって出会ってからずっと憧れの人なんだよ。こうやってお泊りできることでさえ私幸せなのに、これ以上望んじゃいけないと思ったの。でも本当は・・・いつも一緒にいたいの。大和くんと3人で朝ごはん食べて、学校へ送り出して、ノリと一緒にりんご園見に行って・・・そんな想像をしていた私ってバカみたいでしょ?』
< 41 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop