幸せにする刺客、幸せになる資格
『ノリくん、いいよね』
「はい、よろしくお願いします」
『亜香里ちゃん、行ってくるね』
『うん、気をつけてね』

大和は蓮を下におろした誠さんと一緒に出掛けて行った。

大和が喜んで出掛けたのは、誠さんは元々大学生の時までサッカーをやっており、高校生の頃には全国大会まで行った実力の持ち主らしい。

そこにある種の"憧れ"を抱いているから。

でも今はそれ以上に嫌な大人の空気から逃げ出したい気持ちがあったと思う。

そう考えると誠さんの登場は僕にとっても救世主となった。

"私も蓮とお散歩ついでにふたりのサッカーを見に行ってくる"と、紗英もすぐに出て行った。

残された4人での、会話のスタートは僕だった。

「母さん、変わらないね。あの時紅葉に話した時と同じだ。それに大和が耐えられなかった」
『私は大和くんや亜香里さんに対して感じた印象を正直に話しただけよ。それに、貴方があの時やったことはこの安西家の名前に泥を塗ることだった訳なんだから、何を言われても文句言えないでしょ』

母さんはお茶を一口飲んだ。
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