幸せにする刺客、幸せになる資格
そして7月のある日。
軽井沢で行われた僕達の結婚式。

僕側からは紗英夫婦に蓮。
そして健吾と玲奈ちゃん。

亜香里側は両親と兄夫婦と5歳になる姪っ子の李苑(リオン)ちゃん。

"その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか? "

そんなの、誓うに決まってる。

シルバーのタキシードに身を包んだ僕。
オフショルダーでAラインのウエディングドレスを着ている亜香里は、髪をアップにしていて、いつもと違う。

綺麗で、そして可愛くて。

控室でたまらずキスをしたら、グロスが僕の唇についてしまい、慌ててぬぐった。

けど、ここでもう一度するんだよね、誓いのキス。
大和が見ている前でちょっと恥ずかしいけど、これも誓いの一環だ。
僕は亜香里を愛しているんだということを、大和にも分からせるいい機会だ。

そんな目の前の亜香里にとにかく惚れ惚れした結婚式だった。

『僕も"誓います"って小さな声で言ったよ、さっき』

大和はみんなで食事をしている席で言う。
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