幸せにする刺客、幸せになる資格
「そうだよな、誓うって言ってたよな」
『お父さんと亜香里ちゃんをずっと大好きでいるもん。でもお父さんはもっと大好きなんでしょ?』
「何で?」
『さっき、キスしてたじゃん』

それを聞いた亜香里は顔を赤くした。

周りは笑った。

「お前はもう・・・さすが僕の子供だ」
『僕もキスしたい女の子、いるもん』
「誰だよ」
『アキちゃんでしょ、レイナちゃん、サっちゃん、シオリちゃん・・・』

大和は指折り数えていろんな女の子の名前を出した。
おいおい、そんなにいるのかよ。

堪え切れずに亜香里が大笑い。
でも僕は心から呆れた。

「お前さ、本当に好きな子とだけにしろよな、キスは」
『うん。亜香里ちゃんみたいな女の子がいればいいな』
『ありがとう、大和くん。応援してるからね』
『うん!』

総勢で12名での挙式と食事会は、健吾の時以上にアットホームだ。

そして9月に入って収穫に入る前、亜香里の高校の同級生の主催でパーティーを開いてくれた。

『亜香里って、割と早く結婚するものだと思っていたんです。でも私達の仲間で女子では結局一番最後になったんですよ』

同級生の1人がそう言う。
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