赤い流れ星3




「じゃあ、気を付けてな。」

「お疲れさん。
お前たちも気を付けてな。」



会食が終わり、皆が帰って行く。
兄さんと野々村さんを見送って、その場には、私とシュウさんが残された。
私達は、明日、新婚旅行に出発するから、このままホテル泊だ。



はぅ~…緊張する。
今夜は、シュウさんと同じ部屋に泊まるんだよ。
所謂、初夜ってやつだ。



はぁ~、どうしよう!?
緊張で爆発してしまいそうだよ。



「……どうした?」

「え?い、いえ、何も…」



困った。
何をすれば良いのか、何を話せば良いのか、何もわからない。



私達は、部屋に向かった。
広くて豪華な部屋だ。
スイートルームってやつなのかな?



「わぁぁ、綺麗な夜景…」

窓から見えた景色に、思わず声が出た。



「……そうだな。」

シュウさんが私の傍に来て、呟いた。
わ、気まずい。
なんか、すごく気まずいぞ!



「シュ、シュウさん、ケ、ケーキ食べませんか?」

「ケーキ?」

「はい、まだ少し残ってだから、貰ってきたんです。
めちゃめちゃ、美味しかったから。」

「確か、さっきもいくつか食べてたな。そんなに食べてたらますます太るぞ。」



グサッ。



そんなにストレートに言う?
私は受けたショックを隠しながら、懸命に笑った。
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