赤い流れ星３

「カズ、美幸ちゃんも来たことだし、これからはややこしい女とは関わらないようにしてくれよ。」

マイケルさんは、おどけた顔でそう言って、青木さんに意味ありげな笑みを送られた。



「……わかってるよ。
あの時のことは悪いと思ってる。反省してるよ。
だから、当分は仕事一筋で頑張るって言ってるだろ…」

それに対して、青木さんは不機嫌な顔で返事をされた。



「何も恋愛するなって言ってるわけじゃないよ。
ややこしいタイプはやめてって言ってるだけだからね。
カズももういい年なんだし、本当はちゃんと身を固めた方が良いんだけどね…」

マイケルさんの隣で、アッシュさんがおかしそうに微笑みながら何度も頷き、青木さんはその様子を疎ましげに見られてた。



「兄さんは良いなぁ…
母さん達、兄さんのことはもう諦めてるっていうか、なんていうか…
兄さんには結婚しろってうるさく言わないもんね。
そのせいで、私の方にお鉢が回って来たんだからね！」

「……よく言うよ。
おまえはいまだに自立してないから、それなら結婚でもして専業主婦になった方が楽なんじゃないかって、母さん達は考えてるんだ。
でも、おまえ、家のこともほとんど出来ないよなぁ…
掃除もしない、料理も出来ない…そんなんじゃ、嫁のもらい手もないか…」

そう言って、青木さんはみゆきさんのことをどこか意地悪な視線で見られた。


「最近はそんなこと出来なくたって大丈夫なの！
野々村さんだって、料理はほとんどしないって言ってたよね？」

「え…わ、わわわ私は……は、はい、確かに料理は出来ません…」

突然、話を振られて、私は焦りまくり…恥ずかしかったけど、仕方なく本当のことを答えた。
さっき、美幸さんと話してた時についぽろりと話してしまったし、今更嘘は吐けないから。



「た、確かに野々村さんは料理はされないが、それは仕事をされてるからだ。
それに、掃除や片付けはきっちりされてるぞ。
おまえの部屋とは比べ物にならない。」

「……え？
兄さん…野々村さんの家に行ったことがあるの？」

「だから、それは、その……
亜理紗の件の時、かくまってもらってたって言ったろ？」

「あぁ…あの時……そっか、野々村さんの家にかくまってもらってたんだ。」



（やっぱりあの時のことは変化はないんだ…
青木さんは、あの時、うちに来られてた…
ってことは…もしかしたら、あのことは……？）



私はまたおかしなことを考えて、顔が熱くなるのを感じた。