【短編】愛して欲しい。
驚いた顔をした莉衣は、俺の問いかけに、うん。と頷いた。
だから、もう勝手に帰る事なんてしない。
そうはわかってても、俺の風呂は目茶苦茶早かった。
これでもかってなくらいに必死で。
ココまで焦って余裕のない俺、まじダセェ。
こんなハマッて。
こんなマジになって。
相手にもされてない俺って、どうなのよ。
それなのに、まだ心のどっかでちょっと期待してる俺って……イケてなさ過ぎだろ。
ガチャと音を立てて開いたドアの先には、莉衣が居た。
ホッと胸を撫で下ろしながらも、
「莉衣も入れば?」
と、上擦った声を必死に誤魔化す。
「ううん、いいや」
少し哀しげな莉衣の表情が、俺を一気に不安にさせた。
「莉衣?」
ホッとしたのもつかの間。
「もう来ない方がいいかもね」
「はぁ?」
ダサイ俺に、ウザイ俺に、ナサケナイ俺に……気がついた?
やっぱり俺は……。
俺だけが……。