嘘つきラビリンス
「だから、出来れば恋羽さんにはもうお店へ行って欲しくないし、カモられて欲しくもない」

「……」

「僕をこの家に置いて?」

「いっ、いや、だからっ」

「絶対、恋羽さんの嫌がることはしない」

「そ、そういう問題じゃ」

「家の仕事だってちゃんと分担するし。ほら、共同生活ってやつ」

「共同……」

「そう、ただの共同生活。家賃も光熱費も折半する」


あれ? 共同生活?


「とりあえず3ヶ月でいいから居させて?」

「さん……?」

「うん。3ヶ月経って僕と暮らすの嫌になったら追い出していいよ」

「……」

「お店のツケも僕がちゃんと支払っておくから心配しないで」

「……」

「ね? 恋羽さん」


……あれ?

なんか、こう――。
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