Only

普段光は、あたしの前で機嫌を損ねたりしない。

…出会ったばかりの頃は別として。

さっきから大地ばっかり気にして、

心底面白くないとでも言いたそうに呟く光。

…もしかして……

「妬いてる……?」

「!!……っ、ちげえよ」

図星か…

光の真っ赤に染まった顔を見ると、こっちまで恥ずかしくなってくる。

「…そ、そっか、光も嫉妬とかする…んだね。うん。…何か………可愛い」

思わず出た本音。

ふっ、と笑うと光はあたしをヘッドロックかけるように腕を首に回した。

「…~っ、てめえ生意気過ぎだろーが!
……でもお前、やっと“光”って呼んだな」

そーいえば。

光はあたしのこと“輝”って呼ぶけど、

あたしは“宮本”って名字で呼んでた。

「あーーー、気を付けて“宮本”って呼ぶね?」

「うるせえ、光って呼べ」

でもどっちも“ひかる”なんだからさ…

やれやれ。

王子様は結構わがままで強引。

でも、子供で、可愛いかったりする。


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