Only

泣き崩れる輝を支えて、彼女の家まで送る。

何度かこっちを振り返りながら、家に入って行く輝。


…これが、最後の“恋人”の姿。

次会う時は、“兄弟”として。

“家族”として。


一人で歩く帰り道。

いつもと同じ道のはずなのに、道幅が少し広く感じる。

輝がいないだけで、こんなにも家までの道のりが遠く感じて…

月明かりが、道を照らす。


思い出すのは、輝の瞳。

まっすぐで、澄んだ瞳。

捕らえられるように惹かれた、あの瞳が、心に焼きついて離れない。


…つらい…


泣きそうになるのを何度も堪えながら
ようやく家にたどり着いた。


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