Only
「大地…」
「ゆっくり、考えてみてほしい。
…とりあえず、今日はもう帰ろうか」
そう言って、階段を下りてく大地。
胸が苦しくなる。
大地は
あたしを想ってくれてて。
あたしは
光が好きで。
光は…
あの子が、好きで。
いつの日か、前にこんなことを聞いた事がある。
“どんなに好きでも、叶わない恋は叶わない。それより、あなたを大切にしてくれる誰かを、愛した方が幸せになれる”
光は。
あたしに幸せをたくさんくれた。
…光のことで泣いた事はたくさんあったけど。
それは、光が悪いんじゃなくて。
仕方ない事で……
大地は。
ずっと変わらずに、想い続けてくれた。
大地といて、泣いた事は一度もなくて。
でも恋愛対象としては、一度もみたことがなくて。
…優奈のことも、ある。
あたしは。
どうすればいいの?