Only

迷い


それから、教室へ戻っていくと、もう残っている生徒は7~8人で。

後片付けをしている最中だった。

あたしも手伝わなきゃ、と思って衣装を片付けようとすると

あたしに気付いたあやりと咲、優奈が駆け寄ってきた。


「大丈夫だった…?」

心配そうに顔を覗き込むあやり。

「う…ん。大丈夫。ごめんね、あんまり手伝えなくて」

「何言ってんの!気にしないで、今は輝が…心配だよ」

咲が涙目でそう言う。

友達の温かさに、じーんと目頭が熱くなる。

「今日はこのまま帰りな。…帰ってから、LINEしていい?」

「うん……ありがと。いいよ、LINE、待ってるね」

優奈に鞄を渡されて、教室を出る。

「じゃあね、気をつけて!」

「うん、また明日ね」

優奈に手を振る。

…無性に泣きたくなった。


大地からの告白。

優奈には、何て言えばいいんだろう。

こんなに支えになってくれる友達なのに…

最近、あたし泣いてばかりだ。


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