Only

「どうしよう…ごめんなさい、取り返しのつかない事…」

切羽詰まったあたしは涙腺崩壊。

思わず泣いてしまった。

何で、こーなるかな……


すると王子様は、

「ちょっ、おま…泣くなよ、こんなことで」

って、珍しく慌てる様子で。

でも、あたしの目からは涙が次から次へと流れる。

あたし、何で泣いてんだろ…?

「とりあえず屋上行くぞ」

王子様に立たされ、屋上に向かった。


「ほら、もう泣き止めよ」

シャツの裾で涙をぬぐってくれる王子様。

何よ…優しくしちゃって。

でも嫌では無かった。


「うん…でも本当にごめんなさい。あれは弁償する…」

「もう売ってねーよ
ってか最初から非売品だっつの」

…非売品!?

それ、本当大事な…

「非売品…なの?でもあたし、そんな大事なもの…」

どうしよう……

あたしが頭を抱えていると、王子は何か思い付いたようで

「そんな悪いと思ってんなら」

と王子様がニヤッと笑いながら言った。

「お前さ、サッカー部のマネージャーになれよ」

「え?マネージャー?」

「おう。今日から俺のマネージャーな」



< 20 / 308 >

この作品をシェア

pagetop