Only

翌日。

明日は学校祭があるため、今日1日は準備に追われる。

…いよいよ、明日かあ…

「楽しみ楽しみ♪テンション上がるね!」

そう言いながら、手に持っていたビニール袋をブンブン振り回す咲。

「ちょ、あなたその中にお好み焼きソースが入っているのをお忘れ?」

「あわわわわわわ…」

あやりの冷静なツッコミで、慌てて袋を回す手を止める。

そんな2人を見て思わず笑ってしまうあたし。

「ほら、準備行こ!」

2人と一緒に、荷物を取りに行く。


…その途中で。

あたしは目を疑うような光景を見てしまった。

「光ー、明日一緒に回ってくれる??学校祭で」

「…おう」

光、と、星野…さん。

…2人が、一緒にいる……

…やっぱり。

あの話は、違ったんだ、ね。

あたしが…期待したから。

期待したから、悪いんだよね……


「輝、こっち」

あたしの手を引いたのは。

大地だった。


< 201 / 308 >

この作品をシェア

pagetop