Only

体育館で大地と別れてから、急いで教室に戻る。

…でも、教室には誰もいなかった。

みんな外に準備に行ってるんだろう。

あたし1人だけの、静まりかえる教室。


「はあ…」

1人、ため息をつく。

あたし…本当ダメな人だ…

まともに準備も手伝えてないし、何やってんだろ、あたし。

またあやり達に迷惑かけちゃった…

クラスにも、悪いな…

しっかりしてよ、あたし。


あたしが机に手をついて、覆い被さるようにして立っていると。

ガタッ…

教室の後ろのドアが静かに開いた。


「ひか……………る」

…どうして?

何でこんなタイミングで、会うの?

今は、会いたくないよ…


そんなあたしの心境とは裏腹に。

光は、あたしにズカズカと近付いてくる。


高鳴る心臓。

だめ…落ち着いて。


…あたしは、大地を信じるって、決めたの……!


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