Only

反射的に、耳を塞ぐあたし。

続きは、聞きたくない。

…嫌だよ。

もう傷付きたくない……


「聞きたくないっ…!言い訳なんか…
どうせ傷付くのはあたしの方。
…もう、傷付きたくないの…」

うつむきがちに、そう言うと。

光が、ゆっくりと手を避けた。

「ごめん…」

と言いながら。


光を避けて、教室からダッシュで出ていく。

…もう、泣かない。

光のことは。

忘れるんだ。

前に進まなきゃ。


外へ出ると、屋台のテントはほとんど組み立てが完了して、準備は順調に進んでいるようだった。

「優奈…っ、本当にごめん…っ!遅れてばっかで…」

優奈を見つけて、謝る。

本当に役立たずで……

「何息切れしてんのさー、大丈夫だって言ってるでしょ??んで、どーなった、窪田とは!」

「うん…あたし、前に進もう、って思って、OK出したよ」

「うんうん。それでこそ輝だわ!ひとまず一件落着で、良かった♪」

「本当、ありがとう、優奈」

2人で抱き合う。

友達って、大切なんだな…

って改めて思った。


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