Only

綺麗な階段を上ると、2階には部屋が4つ。

リビング、ダイニング、あたしの部屋、

そして…光の、部屋。

やっぱり本当に、一緒に住むんだ……

まだ実感が湧かない。


そんなことを考えながら、
光の部屋の前でボーッとしていると。

いきなりドアが開いた。

目の前には、無表情な光の顔。

「……あ、ごめ…」

あたしがそう言いかけたとき。


ぐいっ、と腕を引かれた。


光の部屋に入ったと同時に、閉められるドア。

「ちょっと…光?」

あたしを真上から見下ろす光。

…どうしたの…?

こんなこと、しないでよ。

誤解するじゃんか…

「お前、警戒心無さすぎ」

「へ?」

いきなりそんなことを言うから、変な
声が出る。

…警戒心?


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